どうにもこうにも収拾がつきません。

やはり、あの人は昔と全然変わってない。

気に入らないとすぐに怒鳴って、私と姉はいつも殴られた。蹴られた。

ずっとずっと、あの人が大嫌いだったし、死ねばいいと、幼い頃から何度思っただろう。

暴力を振るわれても、それでも、仕方ないと諦めてた。

稼いできてくれる人だから。

養ってくれてる人だから。

でも、それは違うね。

どんな理由があっても、子供に暴力を振るうのは間違ってる。


叔母に「結婚相手に最低限求めるものは?」と聞かれて、姉が答えた言葉。

「ちゃんと働いて、暴力をふるわない人」

それを聞いた時、本当に悲しくて。

そんな当たり前のことも、当たり前だとわからないくらい、私達は傷ついていたんだなぁ。

その時初めて、客観的に自分の姿を見た気がした。

ちゃんと向きあってこなかったし、そのことを、自分の弱さや不安定さの理由にするのは、ただの言い訳にすぎないと思ってた。

でも、確かにある、自分の闇の部分。

やっとわかった。

ここに理由があったんだ。


イライラしても、叫んだり、物に当たったり、大きな音を立てたりすると、すぐあの人が殴りにくるから。

だから、私は「怒」の感情が出せなくて。

発散できなくて。

そういう時は、いつも声を殺して泣きながら、自分の体を殴りつけたり、傷つけてた。

痛みを感じてる間は、どこにもぶつけれない、憤りを忘れて、心が安らいだ。



今まで気づいてなかったけど、私は不幸な子供時代を過ごしたんだなぁ。



こんな人が自分の親だって、やっぱり私には思えない。

この世界で、一番遠い人。

一番理解できない人。



子供は親を選べない。



悲しいね。

早く死んでくれたらいいのに。

病気で思うように動けないイライラを、母や姉にぶつけて。

お酒のんで。

死んでくれたらいいのに。

こんな人でも、親孝行しないとダメ?

こんな人にも、祝福されないと、私達は結婚できないの?





子供は親を選べない。

それが悲しい。